統一球が変更されていた? (飛ぶボールになったんじゃない、飛ばないボールだったんだ)



なんだかTwitterで大きく騒がれているので。
長くなるのでかずみの個人的な意見をまとめます。


まず問題の発端となったツイートとニュース記事から。


サンケイスポーツ公式アカウント‏@sankeisports
NPB、昨年サンプルを測定した統一球の反発係数が下限を下回ることが多かったとし、今シーズン開幕から下限を上回るように改善させていたことを公表しました。係数の範囲内ながら「昨年より飛ぶ統一球」であることを正式に認めました。



統一球 今季開幕から変わっていた!

 プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)は11日、飛距離を抑えることなどを目的に2011年から導入していた統一球を今季から変更していたことを認めた。下田邦夫事務局長は「規定の反発係数の範囲内に収めるため」と説明しているが、実態として今季は昨季より飛ぶ球を使っていることになる。

 下田事務局長によると、昨年までの検査で反発力が基準よりも低い球が目立ったため、製造しているミズノ社に昨夏に修正を指示し、今季開幕から新球を使用していた。

 プロ野球では今季、昨年までの2シーズンに比べて本塁打が増加傾向にある。仙台市で11日に行われた日本プロ野球選手会との事務折衝で統一球の検証と説明を求められ、経緯を明らかにした。NPBはこれまで「統一球の仕様は変更していない」としていた。

 NPBはミズノ社に対して、統一球に関する問い合わせには「全く変わっていない」と答えるよう指示していたという。

 [2013年6月11日21時13分]




「今年からボールが変わっていた」という点は、「基準に収まるボールに修正した」ということであって、むしろ正しいものに修正しただけなので、これ自体は問題じゃない。
飛ぶボールになったんじゃない。正しいボールになった、結果昨年より飛ぶようになっただけ。

論点はそこじゃない。


重要なのは下記の2つだと思うのです。

1. 昨年の検査でサンプルを測定した統一球の反発係数は、下限を下回ることが多かった
2. NPBはミズノ社に対して、統一球に関する問い合わせには「全く変わっていない」と答えるよう指示していた



まず1。


昨年の検査では反発係数が下限を下回ることが多かった、つまりこれは昨年使っていた統一球はNPBの定めた基準に当てはまっていない、不良品が多かったという話になります。
統一球メーカーとして採用されたミズノが規定に収まらないボールを多く出荷し、かつそれを利用してシーズンが行われていたことが大問題なわけです。

つまり昨年は「NPBの規定に定まっていない用具を使い、公式戦が行われていた」ことになります。

「公認シールは貼ってあるけど実は反発力の高い圧縮バットを打者が使っていた」とかなったら大問題になるわけで。
今回のボールの件はいくら全選手が同じ条件だったとはいえ、昨季の記録は無効にしなければならないのではないかレベルの大事件です。



続いて2。

NPBが「統一球は全く変わっていない」とミズノに答えさせていたこと。

a. 昨年のボールの多くは基準に沿わない不良品であり、昨季のシーズンに問題があることを隠したかった?
まぁ、まともな考えならこれ…かなぁ。

b. ミズノ社のボールに問題があったことを知られたくなかった?
NPB基準を外れたボールを大量に納入してきたわけですから、本来であればミズノ社はNPB公認球メーカーからは外されてもおかしくないわけで。
これを避けたかったのかなぁ、とも。
NPBとミズノの癒着、という見方もできます。

ただ、aとbを隠し通したいなら、
「やっぱ去年飛ばなさ過ぎたわ、ちょっと飛ぶのにするね^^」
と言って変更するか、
「飛ばなかったから飛ぶようにしてました(・ω<)」
と認めるか。
これなら昨季は基準に沿っていなかったことがバレずに済んだわけです。

じゃあなぜそうしなかったのか?を考えたら。
aもbも理由じゃないとしたら。

統一球が失敗であると言われることを頑なに認めたくなかったんだろうなぁ…と…

「変えました!」と言えば問題はバレなかったのに、「やっぱ統一球ってクソだったんじゃんバーカバーカ無能!」と言われたくが無いために嘘をつき続けた結果、もっと大問題が発覚したんじゃないかと…。

おいおい馬鹿か。



まとめ。

1. 去年の記録どーすんだよ。そこだよ。
2. やっぱ加藤ってクソだわ。


…途中から面倒になってふざけちゃいましたが、
「飛ぶボールになってた」ことに騒ぐのではなく、「昨シーズンは不良品の飛ばないボールだった」ことと、「NPBはなんで隠してたんだよボケ」で騒ぎましょうね、ってことです。

おわり。文章めんどいにゃ。


※6/11 23:44 追記
スポーツ新聞各社がやたらと「飛ぶボール」になったと騒いでいるのが、論点がずれる原因だと思うのですよ。
これ以上「飛ぶボール」を強調されると、スポーツ新聞社とミズノ社の癒着を疑うレベル。
そんなに去年のボールが「飛ばない不良品ボール」だったことを書きたくないんですかねぇ…。

2013/06/11 22:46
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Comments


統一球をめぐる問題でニュースになっているようで、テレビを見たりネット情報を見たりしていて釈然としない部分が多かった中でこちらのページを見つけました。
技術的には飛ぶボールを作るほうが飛ばないボールを作るより難しいと思います。
だから飛ばないボール=反発係数が基準値に達しない不良ボール…という論点は正しいと思います。
ニュースに出てくる数字を見ていると、下限値にこだわっているようですが、基準値には上限値もあって、下限値との差は0.024もあるようです。
今年調整して"飛ぶ”ように改良したボールでも基準値は十分満たしてます。
ちなみに、ゴルフのボールではメーカーはやたらと「飛ぶボール」を強調しますよね。
飛ばないボールを宣伝するゴルフボールメーカーはいないわけで・・・
ゴルフと野球は考え方が違うかもしれませんけどね。
プロ野球では飛ばなすぎ、飛びすぎのどちらもアカンという事で反発係数の基準に上限と下限を設けていると考えられます。
基準値自体が幅を持たせすぎて意味のない数字になっているんじゃないかな?

てるる - 2013/06/15 - 09:49
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